『場づくり仕事術』出版記念イベントレポート

『場づくり仕事術』出版記念イベントレポート

2023年9月30日(土)に、鹿児島市で『場づくり仕事術』の出版記念イベントを開催しました。

当日はManableGate10周年のお祝いも兼ねて、鹿児島で出会った方々に感謝の気持ちを届けたいと思い「10周年感謝祭」と題して交流会を実施。訪れてくださった皆さんとこれまでの10年間をふりかえりながら、11年目に向けてエネルギーを充電することができました。

「出版記念講演会」では、出版に関するエピソードや、場づくりを意識したきっかけなどについてお話しました。会場からの思わぬ質問に、話す予定のなかった学生時代のエピソードが飛び出すなど、双方向的な交流が生まれる賑やかな時間になったと思います。

全ての回を通じて、30名以上の方とお会いすることができました。

本記事では、当日の会場の様子や書籍についてレポート形式でお届けします。



会場はマルヤガーデンズ7階 garden7

お借りしたのは、マルヤガーデンズ7階にあるgarden7。入り口にはお祝いのお花を飾り、華やかな雰囲気に。


こちらの会場は一般のお客さんとの距離も近く、会場に展示した今年80歳になる父の水彩画も多くの方にご覧いただきました。


6階のジュンク堂書店さんには、本イベントに向けて特設コーナーも設けられました。書籍も置いていただいているので、ぜひ足を運んでみてくださいね。



出版記念講演会の様子

出版記念講演会では、まず「著者トーク+Q&A」として、起業からの10年のふりかえりや本づくりの過程について30分ほど講演。その後は、参加者同士の意見交換や交流タイムとなりました。


講演では、2006年に出身地の大阪から憧れを持って上京した社会人生活のはじまりから、結婚を機に2008年に鹿児島へ移住した当時を「職場、地域、会社に馴染めず」とふりかえりました。

周りのスピードと歯車が合わず、会社を辞めることになった経験から「自分だけの頑張りだけでは得られないことやできないことがある」と気づいた33歳。

人に理解をしてもらったり、協力してもらうことが上手くできない自分に悩みながらも、自身と向き合った1年間を通して、ManableGateの起業にいたります。


所属する場に居心地の良さを感じられない日々を過ごす中で生まれたのは「居心地が良い場所や話しやすい人、その理由やポイントはどこにあるのか?」という疑問。

そのポイントがわかれば、人間関係や自分の居心地を豊かにする技術として使えるのでは……という思いをきっかけに『場づくり仕事術』が生まれました。


「居心地の良い場所や人のポイントは見えづらいけれど、明らかになることで日常に活かせる人が増えるはず」と、書籍には自身の経験だけでなく、県内で様々な場をつくっている方々の事例も紹介しています。

限られた時間ではありましたが、本に込めた「可能性を信じて、人や社会と関わることができる人を増やしたい」という思いが少しでも伝わっていたら嬉しいです。



10周年感謝祭の様子

午前の部、午後の部と開催された10周年感謝祭では、参加者の皆さんとこれまでの歩みをふりかえったり。


皆さん同士もつながってもらえたらと、ひとりずつ自己紹介をしてもらったり。主催者と参加者の垣根を超えて、さまざまなお話しをすることができました。


午前の部には、2011年に発足した「鹿児島ウーマンライフ研究会」のメンバーもきてくれました。このグループは、私が初めて立ち上げたコミュニティで、場づくりのスタート。原点ともいえる場所です。

その中で当時、妊娠と同時に退職しキャリアに悩んでいる……と参加してくれていた女性が、今では三人の子どもを育てる母親になっていて、10年の歴史と温かさを感じることができました。


2〜3年前に講演会をきっかけに出会ったHさんは、初対面について「明るく、ニコニコしている姿が印象的だった」とふりかえります。

しかし、イベントに参加したことで「笑顔の裏には落ち込んだ時代もあったんだな」と新しい一面を知り、「これからも鹿児島の女性が持つエネルギーを高めていってほしい」と今後への期待を寄せてくれました。


指宿から訪れたKさんも「鹿児島全体に火をつけてほしい」と話し、今後の場づくりへの期待をいただき、出張専門の治療院を経営するYさんは「自分も新しく場づくりをしたいと思っていたところで、本の内容が参考になった。今後も場づくり仕事術が県内に広がってほしい」と伝えてくれました。

参加者同士が和やかに話す姿は、書籍にも書かれている「参加者とつくる場づくり」を表すような風景でした。



書籍『場づくり仕事術』について

『場づくり仕事術』では、1000件以上の場をつくってきた経験をもとに、場づくりの必要性やはじめ方、価値の高め方などについて全6章で紹介。

「職場の会議で意見が出ない……」「話がまとまらない……」といった普遍的な困りごとのページでは、”場づくり設計図の6要素”として具体的なアドバイスを掲載しました。

また、第3章 場づくりのはじめ方では、思いを形にするために必要な過程をひとつずつ確認し、新しいチャレンジの際にわいてくる不安の解消方法についてもお伝えしています。

後半では、すでに場をつくっている人にも役立つ”場づくりの価値の高め方”や”稼ぎ方”についても言及。稼ぐには、場に関わる人々といかに良い関係をつくり、継続できるかが大切な要素になってきます。

場づくり=関係性づくり。ビジネスはもちろん、ローカルの現場でも上下関係や世代差によって話し合いがうまく進まない……といった声はよく聞かれます。場づくりは、まちづくりや地域おこしにおいても非常に重要なテーマです。

書籍に残した「お客様育ては自分育て」という言葉にもあるように、自分自身が心地よい場は、きっと他の人にとっても心地良いはず。

『場づくり仕事術』を手に取ってくださった方を起点に、意図を持った思いやりのある場が県内に広がっていくことを期待しています。



イベント当日をふりかえってみて

起業からの10年間とイベント当日をふりかえって思うのは、「鹿児島に育ててもらったなあ」という感謝です。

場づくりは、1人ではできません。一緒につくってくれる「あなた」がいるからこそ、居心地の良い場が生まれることを改めて感じることができました。


そしてManableGateで10年間、講師業を続けてこれたのは、やらせてもらう場があったから。鹿児島という地で経験を積ませてもらい、場数を踏ませてもらったおかげで10周年という記念の年を迎えることができました。

11年目も学び合えるような、互いに良い影響を与えられるような場や関係性をつくっていけたらと思います。

当日お会いした方々からのエネルギーを受けて、もっともっと『場づくり仕事術』に込めた思いを伝えていこう! と心に火がついた出版記念イベントとなりました。

 

取材・撮影:福島かざり(かざぐるま)